人離れの抑止①

■ 要約

・人が辞める理由は人

・辞めさせたくないなら人を大切にせよ

・人が辞める組織は、人が人を大切にしていない組織だから、やめるが吉

・連鎖退職が起きる職場には、必ず裸の王様がいる

・一度連鎖退職が起きたら、トップを変えない限り止まらない

 

■ 人が辞めるまでの流れ

・きっかけは小さな不満

・不満=労働環境

 (年収、人間関係、残業時間)

・不満を持った人はまず比較する

  (他の人は?他の職場は?他の会社は?)

・他に良い環境があれば、移れるかどうかを考える

・移れる場合、この時点で残る理由は無くなる

・ただし例外がある。【情が湧いた場合】。

   移るべきと頭では分かっていても、

   情が湧くことで踏みとどまることがある。

   恋愛と一緒。

・情、とは、人柄。

   この人たちが好き、この人たちを裏切れない、と思わせる信頼関係の貯金があれば、

   人は辞めないことがある。

 (恋愛と一緒。年収低くても好きなら結婚することもある)

・だから、人(間味)を軽視してはいけない。

・労働環境最強の組織など目指せるわけないのだから、

    【人】で、人を止めるしかない。

・人が辞めていく組織、というのは、

    人と人の繋がりが薄い組織。情のわかない組織。

・人を人ではなく、物として扱うと、こういう組織になる。

 

 

フローチャート

① 不満がある → ②へ

    No → この人は辞めない

② よそを調べる行動力がある→③へ

    No → 不満だけ言う人。この人も辞めない。

③ 今より良い環境が外にある→④へ

    No → 有り難みに気付く。辞めない。

④ その環境に移れる実力がある→⑤へ

    No → 身の程を知る。辞め(れ)ない。

    ただし辞めるために自己研鑽する可能性有り。

⑤ この人は辞めた方がメリットがある。

いつであっても、辞める理由がある。

それでも辞めないとすれば、それを上回る感情的な理由があるから。

 A. 辞めることへの恐怖(大半はこれ)

 B. ここにいる人が好きだから、恩義があるから、など。

 

Aは、情報収集することで解消されることがある。

したがって、優秀な人を止めるカードは、

B=【人間関係】しかない。

 

■ 連鎖退職の仕組み

・人を止めているのは人。組織じゃない。

・見えないだけ。人は人で止まっている

・その【キーマン】が抜けるから、タガが外れる

(「あの人がいたから頑張っていたのに…」)

・キーマン=良い人

・良い人を絶対に抜けさせない!!

・良い人に甘え、良い人を押し潰さない

・良い人が抜ける=良い人を大切に扱わない組織

   これは人に圧倒的危機感を植える

・良い人を大切に扱わない組織を、人は絶対に大切に扱わない

  (同調心理。その組織に与したら、自分も良い人を大切に扱えない人間になるから。私はこの組織とは違いますよ!というポーズを無意識に取り始める)

   (良い人ほど自分も同じ顛末を辿ると本能的に察するから、防衛反応が働く)

   (綺麗な魚が死ぬ水に違和感を感じぬ人はいない)

   (これは人間の根元)

 

・辞めたキーマンが「辞めてよかった」などと吹聴した日には、

   求心力の高いキーマンに、ますます部下が同調していく

 

・求心力とは?

この人のいうことは正しい、従おうという信頼感。

偉いからではなく、素直にそう感じるかどうか。

広げれば、心を掴んでいるか否か。

対義語 : 裸の王様。

 

■ 労働者側から

良い人が辞めていく、糾弾される組織は、離れた方が良い

いずれ上記の結末を辿るから

 

■ 組織側から

まずは魅力ある労働環境の提供と改善

それができないなら、少なくとも風土をよくする

人を大切にする。良い人を大切にする。

 

■ 管理者側から

連鎖退職が起きている職場は、いかなる理由があろうとも、

100%人間関係に問題あり。

100%、その組織のトップに求心力がない。

求心力を持つトップとは別の存在がいて、

その存在が糾弾された、あるいは離職したことで、

組織への反発心として連鎖退職が起きている。

⇒ トップを変えない限り、連鎖は止まらない

   

(リーダーに求心力が無い。辞めていく側の人達の方が心を掴んでしまっている)

 

変わるかな?という期待感を抱かせない限り、

抑止力が働かない。